ワックスは植物性、動物性、石油系など様々な原料から得ることができます。
今回は植物性のワックスについてご紹介させていただきます。
植物性ワックスとは
植物性ワックスとは植物の葉、種子、花などから得られるワックス(ロウ)のことです。高級脂肪酸と高級アルコールのエステルが主成分です。
植物は表面にワックスの膜を作り、害虫や自然環境から自らを保護しています。
植物性ワックスの種類と特徴
主なものとして6種類ご紹介します。

ブラジルなどの乾燥地帯に生育しているカルナウバヤシという植物の葉及び葉柄から得られた蝋を精製したものです。
植物性ワックスの中では最も融点の高いワックスです。
カーワックス、化粧品、つや出し剤(キャンディ、丸薬、紙など)、医薬品(軟こう、こう薬)など

アメリカ南西部からメキシコ北部の荒地に生育しているキャンデリラ植物の茎から得られるワックスです。
キャンデリラ植物を天日乾燥し、煮取り法で得た粗ロウを精製し得ることができます。
海抜1000~2000mほどの高原に生育しており、温度差の激しい場所に飼育していることから自らを守るためにワックスを生成します。
化粧品、絶縁材料、撥水剤、サイジング剤、磨き剤、接着剤、可塑剤、光沢剤、皮膜剤等

ヒマワリの種子から得られる植物性のワックスです。
淡黄色から黄色の個体でわずかに特異な臭いがあります。
融点が高いハードワックスで、油剤に対する溶解性が良く、ゲルを形成します。
キャンドル、口紅、ファンデーション、ヘアワックス、エマルション、スクラブ剤 など

アメリカ南西部やメキシコ北西部の乾燥地帯に自生するホホバという潅木の種子から採油します。オイルと名がついておりますが、化学的組成においてはワックスの仲間となり、常温で唯一液体のワックスです。液状のためホホバオイルと呼ばれています。
化粧品、医薬品、マッサージオイル、ヘアケア製品、皮膚保護用製品など

ハゼの実から得られる日本特有のワックスで国際的にもジャパンワックスとして知られています。
ワックスと名がついていますが、実際は化学組成的には脂肪酸のトリグリセリドを主成分とした油脂の仲間です。
日本酸という固有の脂肪酸をもっています。
力士の髪に付けられているびんつけ油や和ろうそくの原料として有名です。
化粧品、整髪料、クレヨン、木工用製品、みがき剤、石鹸、キャンドルなど

米ぬか油を製造する際の副産物として得られるワックスです。
米ぬか蝋とも呼ばれております。
油脂製造過程の副産物として得られるライスワックスは貴重なワックス資源とも言えます。
化粧品、艶出し剤、みがき剤、木工用製品、包装紙、キャンドル
名称 | 融点(℃) |
---|---|
カルナバワックス | 80~86 |
ライスワックス | 78~83 |
ヒマワリワックス | 74~80 |
キャンデリラワックス | 68~72 |
木蝋 | 50~53 |
ホホバオイル | 7~8 |
植物性ワックスだけでも融点の違いなど様々な特性がございます。
ご使用の際は是非ご参考いただけますと幸いです。
山桂産業株式会社は1946年創業の油(オイル)と蝋(ワックス)の卸問屋です。
ECサイト「あぶら屋ヤマケイ」では、多種多品目の品揃えでお待ちしております。