気温が下がってくる季節になると、SNSで「ホホバオイルが固まっている」や「ホホバオイルが凍る季節がきた」というお声が挙がってくるのをよく目にします。
冬場に固まってしまうホホバオイルやその他の固まるオイルについてご紹介します。
ホホバオイルとは?
ホホバ(JOJOBA)とは、米国西南部およびメキシコ北部の乾燥地帯に自生している常緑樹です。-6℃~46℃、年間降雨量が100mm以下の乾燥した過酷な気候でも生育する強い植物です。
ホホバオイルはオイルと名前がついていますが、植物では唯一の液状ワックスエステルであり、実はオイルではなく液状の蝋です。
弊社の取り扱いには、【左】ゴールデンホホバオイルと【右】ホホバオイルがあり、ゴールデンホホバオイルはホホバオイルで行われる脱色工程を行っていないもので、ともに脱臭工程は行っております。
組成 | 例 | |
---|---|---|
蝋(ワックス) | 高級脂肪酸と高級アルコールの化合物 | ホホバオイル、ミツロウ、カルナバロウ、コメヌカロウ、ラノリンなど |
油(オイル) | 高級脂肪酸とグリセリンの化合物 | 大豆油、ごま油、いわし油、パーム油、牛脂など |
ヒトの肌の皮脂の約4分の1がワックスエステルであるため、お肌に使った際はべたつかず肌なじみがよいという特徴があります。
日本では1976年から化粧品原料として使用されています。
ホホバオイルは過酷な環境においても酸化しにくく、酸化しやすいオイルと混合することでオイルの酸化を遅らせることが可能です。
ホホバオイルはどのくらいの温度で固まる?
ホホバオイルの凝固点は7~8℃であるため、10℃くらいから白濁し温度を下げて行くと固まります。
また、純度が高いほど固まりやすいです。
ホホバオイルの冬場の使用時の固まりでお困りの際は、以下の方法をお試しください。
40~50℃程度のぬるま湯で湯せんする
ホットタオルなどで容器を包む
一度固まったホホバオイルは品質に問題はなく、液体に戻ると再度使用可能です。
ホホバオイル単体では10℃以下になると固まり始めるため、同様の価格帯であるスクワランを混合すると固まり具合はどのようになるか以下の通り実験してみました。
条件:2日間冷蔵庫にて保管
① 1:0 | ② 2:1 | ③ 1:1 | ④ 1:2 | |
---|---|---|---|---|
ホホバオイル | 40g | 30g | 20g | 10g |
スクワラン | 0g | 10g | 20g | 30g |
右(④)になるほどホホバオイルが少なくなるため固まる現象は軽減され、湯せんで元の液状になる時間は①、②と比べ③、④は比較的早い傾向にありました。
冬場に解凍の手間でホホバオイルの使用が遠のく場合は、冬場は他のオイルの使用やその他のオイルを1:1以上で混合して使用することも1つの手段としておすすめします。
その他の冬場や常温で固まるオイルについて
暖かい場所が原産地のものは、比較的凝固点が高めになるケースが多いため、冬場や常温でも固まる傾向にあります。
落花生油(ピーナッツオイル)(0~3℃)
セサミオイル(-5~0℃)
アルガンオイル(データなし)
(カッコ内は凝固点)
オーストリッチオイル(ダチョウ油)(28.4℃)
ヤシ油(ココナッツオイル)(24.6℃)
エミューオイル(20~24℃)
(カッコ内は凝固点)
一度固まったオイルは、ホホバオイルと同様に品質に問題なく液体に戻ると再度使用可能です。
山桂産業株式会社は、大阪・北船場にて1946年創業の油脂と蝋の卸問屋です。
ECサイト「あぶら屋ヤマケイ」にて多種多品目にて販売もしております。
また、オイルやワックスのOEM・ODMサービスもしており、開発受託や製造受託もしておりますので、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。