油を硬化させた製品で私たちに身近なものといえばマーガリンがあり、液状の油を水素添加して硬化させた製品です。
油への水素添加は融点の調整や、熱への耐性など様々な目的で使用されています。
今回はその水素添加された硬化油と極度硬化油について詳しく解説させていただきます。
油を硬化させる水素添加とは
水素添加とは、液状油脂に対して水素を添加することにより、固体、半固体の油脂に変える方法です。それにより融点を上昇させたり、酸化安定性を向上させ油脂の保存性を高めることにもなります。
実際の方法としては、油脂にニッケル・白金・パラジウム・銅などの触媒を加えて加熱・攪拌しながら水素ガスを通じると起こる反応です。
硬化油とは
水素添加の工程を硬化と言います。それによって得られた油脂を硬化油と言い代表的なものでは、ヤシ硬化油・米硬化油などがあります。
また不飽和脂肪酸に対して完全に水素添加を行い硬化させた場合を、極度水素添加と言います。それによって得られた油脂を極度硬化油と言い、代表的なものではパーム極度硬化油・大豆極度硬化油・菜種極度硬化油などがあります。
トランス脂肪酸について
トランス脂肪酸は、油を水素添加または高温で精製した時などに生じる脂肪酸の一種です。
天然には牛などの動物の肉や脂肪に少量含まれています。
トランス脂肪酸は、善玉であるHDLコレステロールを減少させ、悪玉であるLDLコレステロールを増加させます。過剰に摂取することにより、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の発症が高まると言われています。
油脂の摂取量の多い欧米では、トランス脂肪酸の含量表示や摂取制限が設けられている国もあります。
極度硬化油は、不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸を含まないため、今後は硬化油から極度硬化油へと移行していくと考えられます。
弊社取り扱い硬化油一覧
融点は代表値です。
硬化油や極度硬化油がどういった使い方をされているか
- キャンドル材料
- アロマワックスサシェ
- 融点調整
- フライや加工食品
- 冷凍食品
- 保形・離型用
- 化粧品 など
油脂に水素添加することにより様々な製品に応用することができます。
皆様の身近にも水素添加した油脂を使用した製品がたくさんありますので、是非探してみてください。
山桂産業株式会社は大阪・北船場にて1946年創業の油脂や蝋の卸問屋です。
多種多品目の製品を取り揃えておりますので、ECサイト「あぶら屋ヤマケイ」もご覧いただけると幸いです。