油脂は時間が経つと特異な刺激臭を発生しますが、これを酸化と呼びます。
この記事では酸化の原因と酸化を防ぐ方法について油のプロが詳しく解説させていただきます。
油の酸化とは
油が長時間空気(酸素)にふれることよって特異な刺激臭を発生させることです。
また熱、光、金属などの刺激よっても酸化が進みます。
油の精製が不十分な場合も比較的短時間で刺激臭が発生します。
酸化の初期段階で刺激臭が発生する現象を「においの戻り」と言います。
また長時間空気にふれることにより戻り臭とは異なる刺激臭を発生し、これを油脂の「酸敗、変敗」と言います。
主な酸化の原因
- ①酸素
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空気は酸化の直接的原因となるため、酸化を防ぐためには空気にふれさせないことが最も有効となります。
- ②光
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直射日光や紫外線は油に対して強い戻りの促進効果をもちます。
また蛍光灯の光でも戻りを促進させるため、冷暗所などの光の当たらない場所での保管が有効となります。 - ③金属
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金属は微量でも酸化を促進させます。
特に銅と鉄は酸化の促進効果が高いと言われているため、油の精製によって金属を除去する必要があります。 - ④熱
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温度の上昇とともに酸化の反応速度が大きくなります。
よって、油を冷蔵庫や冷暗所に保存することが効果的です。
酸化しやすい油とは
どのような油が酸化しやすいかは、ヨウ素価をみることで確認することができます。
ヨウ素価が高いほど酸化しやすい油になります。
- 動物性油脂…牛脂(53以下)、豚脂(52~72)、馬油(65~95)、など
- 植物性油脂…オリーブオイル(79~88)、ごま油(104~118)、アマニ油(189~196)など
一般的に牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)のような動物性油脂より植物性油脂の方が酸化しやすい傾向にあります。
また、木工塗油に使用するような油は酸化の性質を利用して塗ることができるため酸化しやすい油といえます。
弊社製品における油の酸化を防ぐための取り組み
①酸化防止容器
弊社製品の木工塗油100ml、450g、スキンケアオイル150mlの商品に対して酸化防止容器を採用しております。
酸化防止容器とは容器の中が2重剥離構造となっており、 油を出すと同時に内袋がポンプの外側から剥がれ空気にふれることを防ぐ容器です。
②遮光瓶
弊社製品の10ml、500gの容器に遮光瓶を採用しております。
それにより光による酸化を防ぎます。
③窒素充填
油を充填後に窒素ガスを充填してから蓋をしております。
窒素は酸素よりも重いため、油が酸素に触れることを防ぎます。
油が酸化する原因には様々な要素があることをご紹介しましたが、原因を防ぐことで通常よりも酸化を遅らせることができます。
油を選ぶ際は、酸化しにくい容器に入っているかも1つの目安にして選んでみてください。
山桂産業株式会社では、酸化防止容器、遮光瓶を用いた油脂や蝋に関する製品のOEMやODMもしております。
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